【漫語り】

自分が触れてきた漫画などについての感想(SNSではバッシング怖くて書けないような批評)など。どしどしコメント求めます(*^^)v

嘘喰い 5項目評価(屋形越えまで)【漫画レビュー】

f:id:readingcomics:20171106213507j:plain

漫画の概要

作者名:迫稔雄
連載雑誌:週刊ヤングジャンプ
連載開始・終了時期:2006年~2017年現在
巻数:既刊47巻
評価基準の詳細はこちらから

現代のギャンブル漫画筆頭となるか

5項目評価

①物語性=6点

まず、始まりから現在の屋形越え(49巻くらいになるのか?)まで、一定のクオリティを保ち続けた点は偉業と言える。恐らく、ギャンブル漫画でここまで安定感を保てた漫画はない。それがプラスに働くかは別として。

そして、当作品の魅力は、何といってもシンプルなゲームを元にしたオリジナリティの高い心理戦だ。知らないルールであるが、どこか既視感があるのでゲームに振り回されることがなく、スっと追っていける。なおかつ、策略は辻褄と理論構築が安定しており、とんでも理論やご都合主義は獏君の強運(確率)くらいのもので気にならない。

とはいえ、当作品は抜群に面白いエピソードの見受けられない、悪い意味でも安定感の強い物語であるため、ギャンブルをしていない置き漫画とも言える。

 

②キャラクター=4点
全体的に福本伸行リスペクトの印象を受けるキャラクター+αで構成されている。

とはいえ、シナリオと同じくキャラクターも全体的に統合性がとれており、福本伸行作品のような抜群のアクがあるキャラクターは見受けられない。恐らく、キャラクターの脳みそが漫画IQではなく現実IQの知能チップが搭載されていることが原因だと思われる。全体的に枠をはみだせていない印象だ。


③表現力=3点
ここは人によって分かれるところだと思う。まず、絵に関して。

上手いと言われれば間違いなく上手い。初期のヤンマガっぽい絵柄から見事なイケメンに変貌していくキャラクター達には驚きを隠せない。獏くんに関しては、屋形越え時点で漫画界でも類を見ないイケメンとなった。顔立ちもきれいだしエロスもすごい。だが、初期に比べて描き分けが抜群に下手になっている。お屋形様、獏くん、ラロのさんすくみのシーンは、せっかく「強者揃う!!」って感じでいい雰囲気が出ていたのに、描き分けが下手なせいで本気で「分身してるのかな?」と思った。まぁ、これは俺がそこら辺の識別で劣っているからかもしれない。

そして、何よりも表現までまとまってしまっているのが惜しい。作中では、獏くんをなんとか悪魔の申し子的立ち位置にしようと演出過多を繰り返しているのだが、前述した通り、どうしても現実IQチップを搭載した知能のため、悪魔的とは思えず、むしろ泥臭さすら感じてしまう。

こういった演出の違和感がどうしても拭えなかった。

 

④オリジナリティ=8点

 土台としては、福本伸行作品などをベースに構築されているのが見受けられるが、ギャンブル漫画で安定して屋形越えを終えたという点と、後続を多く残している点はオリジナリティとして非常に素晴らしいものだと思う。

後は「銀と金」のようにひっそりと漫画としての終わりを迎えると予想しているが、その影響力は計り知れないものと言える。

 

⑤間の取り方=3点
ここが上手く出来ていれば表現力の穴を補えたかもしれない。空気は全体的に張り詰めており(ギャンブル漫画としてここはそうあるべきだと思うが)、ゆとりを感じることができない。満員電車のように詰め詰めである。

本来ならギャンブル漫画として素晴らしい間なのだが、安定感が前面に出ている作品な以上、セッション失敗だと言わざるを得ない。作者の理想としている空気と作中で流れる空気に相違があるのかもしれない。

 

総合評価

24点

私的ランク

C

 

最後に一言

今でも一部界隈では大盛り上がりしている印象だが、もっと大盛り上がりしてもいいと思う。それこそ、腐女子の方などは美味しくいただいてくれそうだから、アニメで大きくバズってほしい。

 

嘘喰いに対する感想

readingcomics.hateblo.jp

 

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

 

嘘喰い 48 (ヤングジャンプコミックス)

嘘喰い 48 (ヤングジャンプコミックス)