【漫語り】

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GTO(グレート・ティーチャー・オニヅカ)5項目評価【漫画レビュー】

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漫画の概要

作者名:藤沢とおる

連載雑誌:週刊少年マガジン

連載開始・終了時期:1997年から2002年

巻数:全25巻

 

評価基準の詳細はこちらから

 

漫画・実写ドラマで大成功。アニメで大成功しかけた(クオリティ)唯一無二の作品

5項目評価

①物語性=5点
キャラクター先行のように見えて、鬼塚を「子ども目線に立てる先生」としてきちんと描き切り、神奈川伝説の暴走族をグレートティーチャーにまで持っていった舵取りは見事。側の部分はかなりぶれていても芯がぶれていない作品。

だが、世界観がリアルにもファンタジーにも振り切っていないため、「鬼塚やから切り抜けられたんやな!!」と「まぁ、漫画やから助け舟あるよなー」が混在したように思えるのと、これが大きな問題で、ひとつひとつのエピソードを後から思い返すと外れた話も特に悪くは無いのだが、その時の間延びで離れた読者もいるだろうし、何より勿体無い捨てキャラになってしまったキャラクターが数知れず……。ドラマがGTOで最高傑作と言われてしまうのはここが最たるところで、ドラマは意図的にいいとこ取りをしていた(アニメも)ように思える。

物語性のいいところを見ると8点ほどになるのだが、マイナスも大きすぎるので減点3点とした。


②キャラクター=9点
あの頃の少年マガジンキャラクターそのままに、現代にも通じるリアリティを上手く混ぜたキャラクター性には圧巻。作品が嫌いでなければ、1人はお気に入りのキャラクターが見つかるのではないだろうか。

 

③表現力=6点

ひとつひとつのエピソードの中(当たり外れ含め)に、ひとつはきちんとした山場を取り入れてくるところに、優れた舵取りセンスを感じる。

リアルとファンタジーの混ざる様々な問題に対し、「毎度毎度グレートティーチャーな切り抜け方をしなければならない鬼塚」という難しい作り方をしている。が、彼の資質とキャラクターから割り出される実現可能範囲を作者は熟知しているのだろう。グレートな説得力と斜め上を飛ばれたような心地良さに胸が熱くなる。

そして、シリアスになると演出力、日常は迫力ゴマと使い分けてる節があるのが、バランス感覚に優れた、舵取りの上手い作者だなと感じる。実は技巧派。


④オリジナリティ=3点
オリジナリティという意味では割とよくあるあの頃の少年マガジンの構成そのままなのだが、そこにリアリティをうまく混ぜたことで独立したひとつの作品になったと思う。


⑤間の取り方=4点
可もなく不可もなくといったところ。特筆するとすれば、作風の割にコマの切り方や流し方が綺麗といったところか。

 

総合評価

27点

私的ランク

B+

  

最後に一言

鬼塚はまさに現実に居そうでいない、リアルでファンタジーなベストな理想の先生像だと思う。
居てくれたらいいなというキャラクターはひとつの理想と言えるだろう。

  

GTOに対する感想

readingcomics.hateblo.jp